第33回日本喉頭科学会総会ならびに学術講演会

会長挨拶

第33回日本喉頭科学会総会ならびに学術講演会

会 長 菅澤 正

(埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科)

この度、第33回日本喉頭科学会総会ならびに学術講演会を令和3年3月5,6日パシフィコ横浜ノースにて開催させて頂くことになりました。埼玉医科大学の学会主催は、過去に1990年11月神経耳科坂田英治教授会長の平衡神経学会、及び1992年2月総合医療センター耳鼻咽喉科川端五十鈴教授会長の日本耳科学会基礎学会を数えるのみで、29年ぶりの主催となります。当科は開設13年に満たない歴史の浅い小規模の教室ですが、このような重責を担うことは大変名誉であり、医局員一同身の引き締まる思いです。このような機会を与えていただいた、梅野理事長、塩谷前理事長をはじめ学会役員、会員の皆様に厚く感謝申し上げます。

今回の学会は、第44回日本嚥下医学会(会長国立国際医療研究センター田山二朗部長)と同時平行開催を予定しております。両学会の共通テーマを“超高齢社会に向き合う”といたしました。喉頭の機能は呼吸、発声、嚥下であり、人を人たらしめている社会性の基盤を成すものです。超高齢化社会を迎え,高齢者の嚥下障害を中心に、喉頭機能維持は切実な問題となっております。両学会を併催することにより、共同シンポジウム,パネルなどを通じて、医師のみならず嚥下に関わる多くのコメディカルスタッフにも有用な情報を提供できると確信しております。また、特別講演にはU.C.Davis校のPeter C Belafsky教授を予定しております。喉頭移植などの研究もありますが、今回は嚥下障害の病態、治療について講演いただく予定です。更に、本学会は嚥下以外にも音声障害に対する喉頭機能外科、悪性腫瘍の治療など多彩な領域が含まれています。再生医療、ゲノム医療の発展により、これらの治療は大きな変革期を迎えております。 Up to date な新知見を会員の皆様にお伝えすることで、今後の喉頭科学の発展に寄与できればと思っております。

しかしながら漸く落ち着きを見せ始めたCOVID-19の社会、医学、そして耳鼻咽喉科に与えた影響は大きく、緊急事態が解除されたとはいえ来年の状況は混沌としており、開催計画も変更を余儀なくされる可能性も否定できません。最悪の場合は、web開催も念頭に置き、準備に励んでおります。

今回、教室員一丸となって、会員の皆様のご期待に少しでも添えるよう鋭意準備を進めて参りますが、両学会の同時平行開催は新しい試みでもあります。行き届かない点も多々あろうかと思いますが、新たな試みとして、ご容赦、ご指導いただければ幸いです。会員の皆様のご協力も含め、本会が成功いたしますよう、何卒盛大なるご支援をお願い申し上げます。